ごあいさつ

特定非営利活動法人
骨軟部肉腫治療研究会(JMOG)からご挨拶

代表幹事:
国立病院機構大阪医療センター整形外科 部長
大阪大学医学部整形外科 臨床教授(併任)
上田 孝文

上田孝文

平成23年4月に、骨軟部肉腫治療研究会(JMOG)の代表幹事を慶應義塾大学整形外科の矢部啓夫先生より引き継いでから、早くも6年が経過しました。平成24年度より、本研究会はNPO(特定非営利活動法人)として正式に認可され、希少がんである骨軟部肉腫の多施設共同研究推進・支援を目的とした活動を引き続き進めてまいりました。
平成28年7月13日に東京で開催された第85回JMOG研究会では、医学研究における統計学の領域では大変ご高名な中央大学理工学部人間総合理工学科生物統計学研究室教授の大橋靖雄先生をお招きし、「ベイズ統計学の臨床研究への応用」というタイトルでご講演いただきました。これまでは、Fisher統計学に基づく無作為化比較試験(RCT: Randomized Controlled Trial)が最良の臨床研究試験の方法としてEBMを掲げる医学研究領域では重用されてきましたが、肉腫のようないわゆる”希少がん“においては、RCTは現実的には施行困難な手法であり、近年これに代わる新たな医学研究試験のための有力な手段として、ベイズ統計学(Bayesian approach)を応用した医学研究が注目されてきています。そこで今回、大橋先生にご講演をいただき、骨軟部肉腫領域にもベイズ法を用いた医学研究を導入していきたいと考え企画した次第です。長らく新薬の開発からは縁遠かった肉腫の領域においても、近年ようやく幾つかの新規分子標的治療薬や抗腫瘍剤が承認されるようになり、今後しばらくは肉腫に対する新規治療薬開発の流れが続くものと予想されます。そのためには、国際共同を含む多施設共同臨床試験や実地臨床の場(“リアルワールド”)において新しいベイズ流デザインを応用した臨床研究が必須であり、希少がんの一つである骨軟部肉腫を対象とする多施設共同研究グループである我々JMOGの重要性は益々増してくるものと思われます。
平成27年1月より、幹事会の承認を経てJMOG幹事会への一般会員の先生方にもオープン参加していただけることとしましたが、予想以上に多くの若手の先生方にも幹事会に参加していただき、多施設共同研究に対する活発な討論をしていただくことが出来るようになっているのは大きな喜びです。今年度も引き続き、年3回の幹事会と7月の研究会総会を中心に活発な議論を重ねながら、骨軟部肉腫における多施設共同研究を推進するとともに、肉腫に対する新規治療薬の開発も目指して行きたいと考えます。さらに来年には、骨軟部肉腫の枠を越えて肉腫全体をカバーするより集学的な学会組織”JAST”の設立も見据え、JMOGとしても全面的に協力していきたいと考えております。
この一年間、日常診療で大変ご多忙の中、JMOGの活動に時間を割いてご協力ご尽力いただいた幹事の先生方並びにJMOG全会員の先生方に、この場を借りて心からお礼を申し上げますと共に、今後のJMOGのさらなる飛躍に向けてぜひお力を貸していただけますよう、今年度も引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

平成29年4月吉日

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